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2008年03月11日

鬼才・金丸

北の松金(ニシヌマチガニ)は伊是名村字諸見に生まれる。百姓の仕事をしていた当時から働き者で仁徳にあふれ、類まれな知恵者だった。しかもこれがまた、かなりの美男子だったという。ある年、ひどい干ばつで村中の田が涸れ果てても、松金の田んぼだけは立派に稲が実っていた。しかも、松金の田んぼは一番上にあり、本来、上から水が流れてきて潤うはずの下の田んぼは、見事に涸れていた。常に女たちの注目の的である松金を、日頃から妬んでいた村の男たちは「松金はオレたちの田んぼから水を盗んだに違いない!」と、あらぬ疑いをかける。それで、松金はふるさとの伊是名島で暮らすことが困難になり、真っ暗闇のうちに、島を離れることになった。しばらくは鍛冶屋の仕事などをしていたが、ある日、後の尚泰久王となる同い年の越来王子と出逢う(どういう経緯で出逢ったのかは明らかになっていない)。それからの松金は見る見るうちに出世し、西原の内間の領主となり、名前も『内間金丸』と変わった。そして尚徳王が亡くなった後、金丸を慕って尊敬していた家臣たちから推され、1470年、百姓出身の琉球国王・尚円が誕生するのであった。




島をあとにするとき、松金は何を想ったのか・・・



『逆田』


松金の田んぼ。今でも伊是名島で稲が実っている。


一番上のほうにある松金の田んぼは、いつも青々とした稲が実り、干ばつに見舞われても決して涸れることがなかった。しかし本来なら水は下に流れるので、下の田んぼのほうが水が多いはず。その下の田んぼは全て涸れているのに一番上の松金の田んぼが一番潤っている。「水が逆に流れた田んぼ」ということで、『逆田』という名前がついている。

当然そんなわけはなく、高知恵で人一倍働き者だった松金だったからこそ、田を涸らすことがなかった。

また、優しくて賢い、おまけに美男子だった松金を慕っていた島の女たちが、毎晩変わりばんこで松金の田んぼだけに水を運んでいた、という逸話もある。





Posted by かなまーる at 09:31│Comments(0)